なぜハードパンの皮は硬いのか?


【ハードパンの皮はなぜ硬い?】



先日レッスンで、こんなご質問をいただきました。

「ハードパンってどうして皮があんなに硬いんですか?」

え!皮が硬いからハードパンって呼ぶんじゃ・・なんて思いましたが(笑)
確かにあの硬さはソフトなパンではでませんね。

焼きたてを手に取ると、カチッと音がしそうなくらいしっかりしていますよね。
今日は硬さの理由に迫りましょう!



1. 加水率と水分の蒸発

ハードパンは、生地の水分比率が多いので高温(230〜250℃)で長めに焼きます。

すると表面の水分が蒸発し、乾きやすくなります。

焼き始めの高温によって表面のたんぱく質(グルテン)が凝固し、さらに水分が飛ぶことで厚みと硬さのある皮がつくられます。

これは旨味を閉じ込め、香ばしさを出すための重要な工程ですが、同時に皮の硬さも増す結果につながります。



 

 

 

2. 低温長時間発酵による糖とアミノ酸の変化

長時間発酵でデンプンが分解され、糖とアミノ酸が増えると、焼成時にメイラード反応(褐色化反応)が進みます。(プリンのカラメルが茶色なのと同じ)

この反応によって香ばしい色と風味が生まれる一方、皮はさらに締まり、硬めになります。



3. スチームの影響

焼き始めにスチームを入れると皮の伸びが良くなりますが、スチームが足りないと乾燥が早まり、より硬くなります。

プロのオーブンではスチーム量を細かく調整して、パリッと軽やかな皮を作っています。

家庭では沢山の蒸気を入れること、またはボールや型をかぶせて乾燥を防ぐ方法をとります。



ハードパンの皮の硬さは、香ばしさと味わいの証。
ぜひ硬さも“おいしさの一部”として楽しんでくださいね。

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